オンラインでの応募やATS(採用管理システム)の普及に伴い、プレーンテキストのレジュメが面接機会を獲得するための重要なツールとして注目を集めています。
特に大企業では、採用管理システムを使ってレジュメをスクリーニングしているため、提出するレジュメの形式はそのシステムとの互換性を持っている必要があります。この点は、特に強調しなくても重要なポイントです。
プレーンテキストのレジュメは、すべてのプラットフォームで最大限の互換性を持つように設計されています。
今回の投稿では、プレーンテキストレジュメの概要や、なぜ今注目されているのか、どのように作成するか、そして他の候補者との差別化を図るための記載方法について解説します。
新卒や第2新卒に限らず、プレーンテキストのレジュメを理解することは、今後のキャリアアップに大いに役立つでしょう。
目次
プレーンテキスト(ASCII)レジュメとは?
プレーンテキスト資料、またはアスキー(ASCII:American Standard Code for Information Interchange)レジュメは、シンプルなテキスト形式(.txt)で保存されたレジュメを指します。
このレジュメには、画像、斜体、太字などの特別な形式は使用されません。基本的な文字、アルファベット、数字、句読点を使用して作成されます。この形式のメリットは、どの端末やソフトウェアでも必ず閲覧できることを保証する点です。
歴史的には、プレーンテキストレジュメはハイテクな文字処理プログラムが普及する前の標準形式でした。最近では、オンラインの求人要項やATS(採用管理システム)が広がる中で、プレーンテキストの互換性が再注目されています。
Word形式やPDFレジュメとは異なり、プレーンテキストレジュメには華やかなフォントや箇条書きはなく、代わりに改行やアスタリスク(*)、ハイフン(-)を使って空白やリストを表現します。
プレーンテキストの一般的な特徴は以下です;
- 特別な構成がない:プレーンテキストレジュメには太字、斜体、下線などのテキスト装飾はありません。
- 視覚的要素がない:画像やグラフ、装飾フォントなども使用されません。
- 等幅フォント:文字の幅が均等なCourierフォントが使われ、読みやすさが確保されています。
- 限定的な特殊文字:箇条書きにはアスタリスク(*)やハイフン(-)を使用します。それ以外の特殊文字は一般的に使用しません。
これらの特徴から、プレーンテキストのレジュメは非常にシンプルですが、全世界共通の互換性を持ち、採用管理システムに解析されやすいため、採用担当者や求職者にとって便利なツールとなっています。
プレーンテキストレジュメを使うべき理由
デジタル時代の就職活動において、プレーンテキストのレジュメは他の候補者との差別化を図り、採用担当者の目を引く強力なツールです。
ATS(採用管理システム)との互換性
採用管理システム(ATS)は、特定のキーワードや資格をスキャンして、求人要項に基づき応募者を評価します。しかし、ATSはWordやPDF形式のレジュメに含まれる複雑な構成やテーブル、画像を解析するのが難しい場合があり、その結果、誤って解析されてしまうこともあります。これにより、応募書類が正しく評価されず、場合によっては落選することもあります。
プレーンテキストレジュメは、このようなリスクを回避できます。シンプルで構成が明確なレジュメは、ATSによって正確に解析され、情報抽出がスムーズに行われます。そのため、レジュメの評価が迅速になり、採用担当者に読まれる可能性が高くなります。
すべてのデバイスで読み取れる
現在のモバイルファースト時代では、採用担当者はスマホ、タブレット、ラップトップ、デスクトップなど、さまざまなデバイスでレジュメを確認します。プレーンテキストのレジュメは、ソフトウェアやオペレーティングシステムに依存せず、すべてのプラットフォームで問題なく表示されるため、非常に重要です。どのデバイスでレジュメが表示されるか分からないため、その適応性が大切です。
編集やカスタマイズがしやすい
プレーンテキストレジュメは非常に簡単に編集でき、異なる求職に合わせて迅速に更新できます。基本情報やキーワードの調整、セクションの修正も手間なく行えます。この柔軟性により、求人要項に合わせたプレーンテキストの作成が効率的に行え、複数のポジションに応募する際に非常に便利です。作成時は求人要項に合った内容で、プロセスが効率的かつ簡潔であることを確認しましょう。
プレーンテキストを好む採用担当者もいる
技術系や効率性を重視する業界では、採用担当者がプレーンテキストレジュメの提出を求めることがあります。シンプルで余計な装飾がなく、社内システムへの統合が簡単なため、プレーンテキストレジュメは高く評価されています。また、たとえ明確にテキストファイルでの提出が求められていなくても、プレーンテキストレジュメを提出することで、他の応募者との差別化を図ることができます。
プレーンテキストレジュメを積極的に活用することは、競争の激しい就職市場において大きなアドバンテージとなります。互換性や適応性、使いやすさを重視することで、あなたのスキルや経験を効果的にアピールし、面接のチャンスを増やすことができます。
プレーンテキストレジュメの構成とサンプル
プレーンテキストのレジュメは、通常のレジュメを作成する方法といくつかの点で異なりますが、ステップに沿って作成すれば簡単に仕上げることができます。
ステップ(1)情報を集める
まず、レジュメに必要な情報を整理しましょう。氏名、連絡先(電話番号、メールアドレス、LinkedInプロフィールURL)、職務経歴、学歴、関連スキル、資格や受賞歴などです。
ステップ(2)基本的なテキストエディタを使用
Windowsの「メモ帳」や、Macの「テキストエディット」など、プレーンテキストエディタを使用します。必ずレジュメがプレーンテキスト形式(.txt)で保存されていることを確認しましょう。
ステップ(3)レジュメの構成を整える
一番上に連絡先を記載します。その後、「サマリー」「職歴」「学歴」「スキル」などの項目を改行で区切ります(「Enter」を2回押す)。箇条書きにはアスタリスク(*)やハイフン(-)を使い、項目の前にスペースを入れましょう。
ステップ(4)わかりやすい見出しをつける
読みやすさを向上させ、重要な項目を目立たせるために、セクションの見出し(「CONTACT INFORMATION」「EXPERIENCE」「EDUCATION」など)は全角文字を使用します。各セクションの前後には空白行を入れると、文書が整って見えます。
ステップ(5)読みやすさを意識する
すべてのテキストを左揃えにし、レジュメ全体の行間を統一しましょう。見出しの前後には1行間隔、セクション間には2行間隔を保つと、視覚的に整理されます。タブは避け、スペースを使ってインデントを作りましょう。
ステップ(6)既存のレジュメのファイル形式を変換する
もし既にWordやPDFでフォーマットされたレジュメがある場合、それをプレーンテキストに変換できます。多くのWordソフトには「名前を付けて保存」のオプションがあり、ファイル形式として「プレーンテキスト(.txt)」を選ぶことで簡単に変換できます。また、オンラインツールを使えば、レジュメを自動で変換することも可能です。
ステップ(7)読み直しとテスト
プレーンテキストのレジュメに誤りがないか確認しましょう。スペルチェックや文法チェックを行い、慎重に校正します。Grammarlyなどのツールを使うのもおすすめです。また、レジュメを自分のEメールアドレスに送信し、異なるメールサービスでどう表示されるかを確認すると、視覚的な問題がないかチェックできます。さらに、ATSレジュメチェッカーを使って、採用管理システムに最適化されているかも確認しましょう。
JOHN DOE
Fifth Avenue New York, USA
(555) 123-4567 | john.doe@email.com (
LinkedIn: linkedin.com/in/johndoe GitHub: github.com/johndoe |
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OBJECTIVE
Dedicated and results-driven software developer with 5+ years of experience in building
scalable applications. Seeking to leverage my technical expertise in a dynamic development
team to create innovative solutions.
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SKILLS
Programming Languages: Python, JavaScript, C++, Java, SQL Web Development: HTML, CSS, React,
Node.js, Django Databases: MySQL, PostgreSQL, MongoDB Tools: Git, Docker, Kubernetes,
Jenkins Operating Systems: Linux, Windows, macOS Cloud Services: AWS, Azure, Google Cloud
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EXPERIENCE
Software Engineer | ABC Tech Solutions | City, Country | Jan 2020 – Present
- Developed and maintained web applications using Python, Django, and React
- Improved application performance, reducing page load times by 30%
- Led the integration of a new REST API, increasing system functionality and reducing
costs by 15%
- Collaborated with cross-functional teams to ensure seamless product delivery
Junior Developer | XYZ Innovations | City, Country | Jun 2017 – Dec 2019
- Contributed to the development of an e-commerce platform, improving user experience
- Assisted in database optimization, resulting in 20% faster queries
- Wrote unit tests and conducted code reviews, ensuring high code quality
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EDUCATION
Bachelor of Science in Computer Science | University of Tech | City, Country Graduated:
May 2017 | GPA: 3.8/4.0
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CERTIFICATIONS
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- Oracle Certified Java Programmer | June 2021
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PROJECTS
E-Commerce Website (GitHub: github.com/johndoe/ecommerce)
- Developed a fully functional e-commerce site with React and Node.js
- Integrated Stripe API for payment processing and Firebase for user authentication
Task Management App (GitHub: github.com/johndoe/taskmanager)
- Built a task management app using Python (Flask) and SQLite
- Implemented authentication and real-time notifications using WebSockets
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VOLUNTEER WORK
Volunteer Developer | Tech for Good | City, Country | Mar 2019 – Present
- Collaborated with a team to build a donation platform for local non-profits
- Provided tech support and guidance to community-based organizations
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INTERESTS
- Artificial Intelligence & Machine Learning
- Open Source Contribution
- Traveling and Photography
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レジュメをプレーンテキストに変換した後、メモ帳に貼り付けて確認することで、書式がすべて取り除かれた状態でも構成がしっかり保たれているかをチェックできます。
プレーンテキストレジュメの書き方ヒント
プレーンテキストのレジュメでは、シンプルさと同時に明確性、簡潔性が求められます。効率的にプレーンテキストレジュメを作成するための追加のヒントをいくつかご紹介します。
正しいコンテンツを選択する
求人要項に合わせる:求人要項をよく読み、採用担当者が求めているスキルや資格を特定しましょう。それに基づいて、関連する職歴や実績がレジュメにハイライトされているか確認します。簡潔にまとめることが重要ですので、募集内容に関連のない情報は避けるようにしましょう。
実績を数量化する:あなたの実績は、可能な限り数値や具体的な指標を使って表現しましょう。例えば、「売上が増加した」と書くよりも、「6ヶ月以内に売上が15%増加した」のように具体的に書く方が、より効果的です。
レジュメ構成のヒント
わかりやすい見出し:項目の見出し(例:EXPERIENCE, EDUCATION)は全角文字を使用して、各セクションを視覚的に区切りましょう。ただし、大文字を多用すると、資格的に違和感が生じて読みづらくなるため、避けるようにしましょう。
読みやすさを最適化する
空白:読みやすさを向上させるため、視覚的な区切りを作るとともに空白スペースをうまく活用しましょう。また、文字と文章だけが続く大きなテキストブロックは避けるようにしましょう。
フォントの選択:Courier、Arial、Helveticaなど、シンプルでWebサイトでも広く使用されているフォントを選びましょう。これらのフォントは読みやすく、ほとんどのシステムと互換性があります。
行の長さ:行の改行や折り返しが不自然にならないよう、行の長さは65〜70文字に収めるようにしましょう。
キーワードの活用
業界特有のキーワード:プロジェクト管理、ソフトウェア開発、カスタマーサービスなど、業界でよく使われているキーワードをレジュメ全体に自然に取り入れましょう。特に求人広告や募集要項に含まれているキーワードに合わせることで、ATSのアルゴリズムに引っかかりやすくなり、レジュメが注目されやすくなります。
アクション動詞:箇条書きの冒頭には強い行動動詞(例:達成した、管理した、開発した、実装した)を使い、実績やスキルを強調しましょう。これにより、より印象的で効果的な表現になります。
これらのヒントに従って作成することで、ATSフレンドリーで視覚的にも魅力的、かつ採用担当者が読みやすいプレーンテキストレジュメを作成できます。面接の機会を勝ち取るためには、明確さ、シンプルさ、関連性が重要であることを覚えておきましょう。
まとめ
応募書類がデジタル化された現代、プレーンテキストのレジュメは、どのデバイスやソフトウェアでも問題なく閲覧され、あなたの職務経歴や資質を効果的にアピールできます。上記のヒントに従ってレジュメを作成すれば、ATSフレンドリーかつ採用担当者にとって読みやすく、プロフェッショナルな印象を与えることができるでしょう。今すぐあなたのレジュメをプレーンテキスト形式に変換し、就職活動を成功させましょう。